ホテルで一旦休憩し、三たび外へ。
今度こそ日本の漫画のハングル版を求めるのだ。

ホテルは丘の中腹に建っている。裏手の階段を上ると公園が広がり、頂上には釜山タワーと呼ばれる塔がにょっきりと建っていた。しかし、今の私の目的は観光ではなくなり、もはや漫画探しの旅と成り果てていたので釜山タワーには興味もない。やたらめったらカップルの多い公園を通り抜け、書店を探して再び国際市場へと向かった。

夕暮れが近付いてきた。手早く見つけないと書店がしまってしまう。時間的にもたぶんあと一軒二軒位でラストだろう。

丁度、少し大きめの書店を発見。
早速中へ入ると、見覚えのあるグリーンの帯に横断歩道を渡る車椅子の表紙。なんと『五体不満足』ではないか。しかもハングル版。おぉ、日本のベストセラーにまさか釜山で会えるとは...
しかし、私の目的は五体不満足ではなく、漫画。申し訳ない乙武さん。

階段を上がり２階へ行くと、遂に見つけました。日本の漫画のハングル版。それも古書でなく新品で。

この本屋に置かれていた漫画は『るろうに剣心』と『クレヨンしんちゃん』の２種類。迷わず『るろうに剣心』の１巻を購入。と、丁度閉店の時間のようだった。やれやれ。

ホッとしてホテルへ戻る道々、ついでに晩ご飯も探して帰ろう。
国際市場に様々な屋台が並ぶ中、串刺しの唐揚げや太巻きを購入。更にはJINROを買って帰り、ホテルの部屋で呑みつつ、つまみつつ、テレビを見ながら釜山での最初で最後の夜は更けていくのだった。

つづく