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第5話 ロシア入国  

 船から見渡すウラジオストックの街は坂道が多く、なんとなく『魔女の宅急便』に出てくる街を思い起こさせた。

 パスポートを受け取り、タラップを降り、ついにロシアの地に足を踏み入れる。
 「う〜ん。ついに来たんだなぁ〜」。
 が、感慨にふける間もなく、入国審査が待っている。ターミナル周辺のそこかしこに軍人さんの目が光り、ピリピリとした緊張感が漂う。さすがはロシア。これこそロシア。ミュージックサロンでの出国審査とはえらい違いだ。

 審査の窓口が1つしか開けられてなかった(脚注1)が、元々乗客も少なかったので並ぶ列は短い。「これならすぐに順番が回ってくるだろう」なんて気楽に考えていたらとんでもない。列が進まないのだ。どうやら一人当りにかかる審査の時間が長い。測っていなかったから確かめようがないけれど、1人あたり1〜2分はかかっていたのではなかろうか。もし、これが日本なら即刻、苦情の嵐だろう。

 緊張しつつ、待ちに待って、いよいよ私の番。
 係員にパスポートを渡す。ジロジロと写真と私とを見比べられ、一つも質問は聞かれなかったが通過。引き続き税関だが、ここも申告すべき物品は何も持ち込んでいなかったので、書類を見せて終わり。

 これで終わりかと思いきや最後に窓口があり、なんとそこが質問コーナーだったのだ。
 「何日滞在するのか?」
 「ウラジオストックを出てから何処へ行くのか?」(脚注2)

 (やっぱりロシアは厳しいんだなぁ)

 しかし、晴れて自由の身となった私らは、ロビーでお互いの入国を喜び会うのだった。

つづく

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脚注1:途中から2つ開いた。

脚注2:もちろん英語で聞かれたし、英語で答えた。



↑ウラジオストック フェリーターミナル

 フェリーターミナルはウラジオストック駅のすぐ裏。
 出迎えの人たちが沢山来ていました。