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第5章 第4話 ユジノサハリンスク  

 公園でしばらくのんびりと休んだあと、近くにある郷土史博物館(脚注1)へ。博物館はロシアにしては珍しくキレイで、サハリンの歴史や自然について展示されていた。

 書かれてある言葉はわからないが、せっかく入ったんだし、展示品を見てまわる。

 と、日本語の話し声が聞こえた。日本人だ。
 しばらくその2人を観察してたら、おじいさんの方が若い人に説明して歩いている。現地に住む日本人だろうか。
 なにげに話しかけれる雰囲気でもなかったので、少し距離をおきつつ様子を見ていた。

 博物館を出て、ぶらぶらと駅へ向かって歩いてみる。

 ユジノサハリンスクの街は計画的に整備されたとかで、京都のように碁盤の目状に道路が伸びている。路上にはウラジオ同様に露天が並び、ピロシキやアイス、文具や花などが売られている。
 人口が少ないせいもあるのか、結構、のんびりとした感じが漂っている。

 しばらく歩いて、ユジノサハリンスクの駅に到着。駅前広場にはお決まりのレーニン像。
 ユジノサハリンスク駅はウラジオ駅とは異なって、近代的な鉄筋コンクリート建ての駅舎。中に入ると、売店が何件か並んでいる。待合室にはそこそこ人もいた。とはいえ、サハリンは列車の本数がシャレにならないほど少ないらしい。

 裏手にまわり、ホームに出てみる。
 ホームと言っても日本のように高さがないので列車がすごく大きく見える。その上、屋根も何もない。

 サハリンはロシア本土と線路幅が違い、日本の在来線と同じ幅らしい。その証拠に日本の気動車が線路上に停車していた。
博物館の日本人といい、線路上の日本の気動車といい、日本に近い事を実感させられた。

つづく  

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 脚注1:日本占領時代の樺太庁博物館をそのまま利用。玄関先には狛犬がかざってある。

ユジノサハリンスク駅
駅と言っても鉄道の本数は極めて少ない。